先に結論を書きます。子供や赤ちゃんがいる家でフロアコーティングをする理由は、大きく3つです。食べこぼしや飲みこぼしが床材に染み込む前に拭き取りやすくなること。おもちゃを落としたり引きずったりしてできる細かい傷がつきにくくなること。そして、膜の選び方で床に滑りにくさを足せることです。気になる安全面については、硬化したあとの膜は無機質(ガラス質)で、人体に無害な材料を使っているので、赤ちゃんが床に触れても安心して過ごせます。ただし、施工したあと完全に硬化するまでは部屋に入れないことが条件です。この記事では、床で起きることを整理したうえで、安全面と施工の日の過ごし方、範囲の決め方の順に書きます。
子供・赤ちゃんがいる家の床で起きること
小さな子供がいる家では、床の使われ方が大人だけの家と変わります。起きることは次の4つです。
- 食べこぼし・飲みこぼし・よだれ。食卓の下とリビングに集まります
- おもちゃの傷。落とす、投げる、引きずるで、細かい擦り傷やへこみが入ります
- 走る・転ぶ。歩けるようになると、廊下やリビングを走り回ります
- 床との距離が近い。ハイハイの時期は、手も顔も床に触れる時間が長くなります
木のフローリングは、水分や汁気が長く残ると、その部分だけ色が変わることがあります。食べこぼしをすぐ拭けない場面が多いのが、子育て中の床の実情です。フロアコーティングは、こうした負荷を床材の手前で受け止めるための施工です。膜ができる仕組みそのものはフロアコーティングとはにまとめています。
食べこぼしは、染み込む前に拭き取りやすくなります
床にコーティングの膜があると、こぼれたものは膜の上に乗ります。床材に直接染み込まないので、少し時間がたってからでも拭き取りやすくなります。ジュースやミルク、離乳食のように、あとから気づくことの多い汚れほど差が出るところです。
ただし、汚れそのものが付かなくなるわけではありません。こぼせば床は汚れますし、放っておけば跡も残ります。変わるのは、汚れが付いたあとの落としやすさです。膜の上の汚れなら、固く絞った布で拭くだけで落ちやすく、強くこする必要がありません。
もう1つ、ワックスとの違いもここで効きます。ワックスは定期的な塗り直しが前提で、そのたびに乾くまで部屋を空けることになります。子供がいる家で部屋を空ける段取りを繰り返すのは、それだけで負担です。コーティングは塗り直しを前提にしていません。違いの詳細はフロアコーティングとワックスの違いにあります。
おもちゃの傷は、つきにくくなります
膜があると、おもちゃが床材に直接当たらなくなります。ミニカーを走らせる、積み木を落とす、ブロックの箱を引きずる。こうした日常の細かい擦り傷は、膜の上で受け止められます。同じ遊び方をしても、床材そのものに届く傷は少なくなります。
そのうえで、変わらないところも書いておきます。
- すでに床に入っている傷は、コーティングでは消えません
- 重いものを高いところから落とすと、膜ごと床材がへこみます
- コーティングの表面そのものにも、使い続ければ傷は入ります
無傷の床が手に入るわけではありません。それでも、床材の塗装がむき出しのままの状態と比べれば、日々の細かい傷の入り方は変わります。傷が気になるなら、まだ傷の入っていない入居前が、いちばん条件のいい時期です。
滑りにくさは、膜の選び方で足せます
当店で床に使うのはガラスコーティングで、その中に膜の厚みで分かれる厚膜・中膜・薄膜があります。滑りにくさで選ぶのは、このうち厚膜と中膜です。滑り止めを重視するならGFガラスコーティング厚膜、軽い滑り止めでよければGFガラスコーティング中膜、という選び方になります。
走り回る時期の子供がいる家では、廊下やリビングのように、勢いがついたまま向きを変える場所で選ぶ意味が出ます。飲みこぼしで床がぬれたときも、同じ考え方です。
ただし、コーティングをすれば転ばなくなる、とは言えません。選べるのは滑りにくさの度合いです。靴下で走れば滑りますし、床がぬれたままなら足を取られます。こぼしたらすぐ拭く、という習慣とあわせて考えてください。艶の出方と滑りにくさの関係や、膜ごとの選び方はペットがいる家のフロアコーティングに詳しく書いています。考え方は子供がいる家でも同じです。
赤ちゃんが床に触れても大丈夫か
ハイハイの時期は、手のひらも顔も床に触れます。いちばん気になるのはここだと思います。書ける範囲をはっきりさせて、順に答えます。なお、ここで書くのは床に使うガラスコーティングの話です。
硬化したあとは、無機質の膜になります
床のガラスコーティングは、液体の状態で塗り、時間をかけて固まります。固まったあとは、床の上にガラス質の硬い膜が1枚できる状態で、この膜は無機質です。材料には人体に無害なものを使っているので、硬化したあとの床なら、赤ちゃんが触れても安心して過ごせます。
材料はF☆☆☆☆(フォースター)の規格です
当店のフロアコーティングに使う材料は、F☆☆☆☆(フォースター)の規格のものです。F☆☆☆☆は、建材などから出るホルムアルデヒドの放散量で分けた等級のうち、放散量が最も少ない区分を表します。床に使う材料を選ぶときの、ひとつの目安になる表示です。
読み方として1点だけ補足します。この等級が表しているのはホルムアルデヒドの放散量で、室内の空気に関わるほかの物質まで含めた表示ではありません。だからこそ、次に書く「硬化するまで部屋に入れない」を、あわせて守ってください。
完全に硬化するまでは、部屋に入れません
安心して過ごせるのは、硬化したあとの話です。塗った直後の膜はまだ固まっていないので、施工した部屋には、完全に硬化するまで赤ちゃんや子供を入れないでください。赤ちゃんがその床で過ごすのは、施工後24時間を目安に、硬化の時間をしっかりとってからにします。硬化の途中で床を使うと、膜が均一にならない原因にもなります。
施工の日の過ごし方と、時期の選び方
いちばん段取りが楽なのは入居前です。家具も生活の汚れもなく、家族がまだ住んでいないので、硬化を待つ時間が生活と重なりません。出産や入園の前に住み替えを予定しているなら、引き渡しから入居までの間が狙い目です。新築の場合の決め方は新築にフロアコーティングは必要かに書いています。
住みながらでも施工はできます。その場合は、部屋やフロアを区切って進め、施工した部屋が硬化するまでは別の部屋で過ごしてもらう形になります。その日は実家で過ごす、2階だけで過ごす、といった段取りを先に決めておくと当日が楽です。使えない範囲と日数は部屋の数で変わるので、見積もりの段階でお伝えします。入居前と入居後で工程がどう変わるかは入居前と入居後のフロアコーティングの違いにまとめています。
どこまでやるか。子供が過ごす場所から決めます
全室でなくてかまいません。汚れも傷も、子供が長く過ごす場所に集まります。
| 優先度 | 場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 高い | リビング・ダイニング | 食べこぼしとおもちゃが集まり、ハイハイの時間も長い場所です |
| 高い | 廊下 | 走る距離が取れ、勢いがついたまま向きを変えます |
| 中くらい | 子供部屋 | 遊ぶ時間が長くなる年齢から、傷の入り方が増えます |
| 低い | 大人だけが使う部屋 | 子供が入らない部屋は、負荷が大人だけの家と変わりません |
子供部屋は、今はまだ使っていなくても、入居前にまとめて施工しておくという考え方もあります。家具が入ってからでは、動かしながらの作業になるためです。部位ごとの金額は単品ごとの価格表で先に確認できます。
持ちの年数は、床材、日当たりと湿度、その家での使い方で変わります。子供が走り回る廊下と、あまり使わない部屋とでは、同じ家でも状態の変わり方が違います。
施工したあとの手入れ
コーティングをしても、掃除は必要です。食べこぼしもよだれも、これまでどおり床に落ちます。変わるのは、汚れがコーティングの上に乗るので、力を入れなくても拭き取りやすくなることです。
使う洗剤は中性洗剤を選び、水分の拭き取りはマイクロファイバークロスのような柔らかい布を使います。研磨剤の入った洗剤や、デッキブラシのような硬いものでこすると、コーティングを剥がしやすくなるため推奨しません。強くこすらなくても汚れが落ちるぶん、コーティング自体も劣化しにくくなる、という順序です。
こぼしたものは、なるべく早めに拭いてください。膜の上なら落としやすいとはいえ、長く置くほど跡は残りやすくなります。
よくある質問
ハイハイの赤ちゃんは床に手や顔をつけることが多いです。コーティングしても大丈夫ですか?
硬化したあとの膜は無機質(ガラス質)で、人体に無害な材料を使っているので、赤ちゃんが床に触れても安心して過ごせます。ただし、施工した部屋は完全に硬化するまで入れないでください。硬化後も、床に落ちた食べこぼしやほこりは付くので、こまめな拭き掃除は続けてください。
施工したあと、いつから赤ちゃんを床で過ごさせていいですか?
施工後24時間を目安に、硬化の時間をしっかりとってからにしてください。それまでは施工した部屋に入れず、別の部屋で過ごしてもらいます。住みながら施工する場合は、部屋を区切って進めます。
おもちゃの傷は防げますか?
防げます、とは言えません。膜があるぶんおもちゃが床材に直接当たらなくなるので、細かい擦り傷はつきにくくなります。重いものを落としたときのへこみや、すでに入っている傷はコーティングでは変わりません。
コーティングすれば、子供が滑って転ばなくなりますか?
転ばなくなる、とは言えません。選べるのは滑りにくさの度合いで、滑り止めを重視するならGFガラスコーティング厚膜、軽い滑り止めでよければGFガラスコーティング中膜という選び方になります。ぬれた床をすぐ拭く習慣とあわせて考えてください。
まとめ
子供や赤ちゃんがいる家でフロアコーティングをする理由は、食べこぼしを染み込む前に拭き取りやすくなること、おもちゃの細かい傷がつきにくくなること、膜の選び方で滑りにくさを足せることの3つです。汚れも傷もゼロにはなりませんが、床材の手前で受け止める膜があることで、同じ生活をしても床の傷み方が変わります。安全面では、硬化したあとの膜は無機質で、人体に無害な材料を使っているので、赤ちゃんが床に触れても安心して過ごせます。材料はホルムアルデヒドの放散量が最も少ないF☆☆☆☆の規格です。ただし、完全に硬化するまでは部屋に入れず、赤ちゃんが床で過ごすのは施工後24時間を目安にしてください。範囲は、リビング・ダイニングと廊下から決めると無駄がありません。