フロアコーティングは、入居前に施工したほうが、工程も費用もシンプルに済みます。入居後の床には生活で付いた汚れや傷があるので、同じ床材、同じコーティング剤でも、コーティングの前に洗浄などの工程が加わります。
「コーティング」と「ワックス」は別物です
ここでいう「コーティング」は、床や設備の表面に保護膜をつくる施工です。定期的に塗り直すワックスとは違い、下地を整えたうえで膜を密着させます。
ワックスは表面に乗せる仕上げ剤です。塗り直しは、製品や使い方にもよりますが、半年に一度が目安とされ、1〜2年もつ場合もあります。膜ができる仕組みと、施工で変わることと変わらないことは、フロアコーティングとはにまとめています。
入居前のほうがいい理由は、工程・費用・生活への影響の3つです
入居前の床は、傷も皮脂汚れも付いていない新品です。そのため、工程はコーティングだけで済みます。
生活を始めたあとの床には、表面に汚れが付いています。コーティングの前に洗浄の工程が入るので、その費用が別途かかります。
傷が付いている場合、補修はコーティングとは別の工事で、補修業者への依頼費用もかかります。
家具が入ったあとは、家具を動かしながらの作業になります。作業中と、そのあとの乾燥の間は、その部屋を使えません。家具を運び込む前に済ませれば、暮らしへの影響も小さくなります。
実例:入居1ヶ月後にご依頼いただいたケース
入居1ヶ月後に、床の傷のことでご依頼をいただいた例です。広さは約80㎡で、入居から2〜3週間でフローリングに傷が入ってしまったそうです。「入居前にやっておけばよかった」とのことでした。
傷の補修は先に別の業者さんに頼まれ、そのあとで当店がコーティングを施工しました。生活が始まっていたので、コーティングの前に洗浄の工程が入り、その費用も別途かかりました。
施工は朝から夕方までの1日でした。乾燥のため、そのあと丸1日はお部屋に入らないようにしていただきました。その間は、ご実家で過ごされたそうです。
入居前の施工なら、工程はコーティングだけです。大事をとって、入居日を施工の2日ほどあとにしておけば、乾燥も入居前に済ませられます。
入居前と入居後を比べる
「工程」「費用の構成」「生活への影響」の3つで比べると、次のようになります。
| 入居前 | 入居後(実例:入居1ヶ月後) | |
|---|---|---|
| 下地の状態 | 新品・傷や汚れなし | 生活による汚れ・傷が付いている |
| 工程 | コーティングのみ | 洗浄→コーティング(傷の補修は別業者で別工事) |
| 費用の構成 | コーティング費のみ | コーティング費+洗浄費(+補修が必要なら別途) |
| 家具 | なし。全面を一度に施工できる | 移動しながらの作業になる |
| 生活への影響 | 入居日を施工後2日ほど空ければ影響なし | 施工1日+乾燥1日はお部屋を使えない |
コーティング自体の金額は、部位別の料金のページで見られます。洗浄費は施工面積で変わります。
お住まいの床が入居前と入居後のどちらに近いか、いくらかかるかは、現地調査で床を見たうえでご案内します。見積書で洗浄や下地処理がどう分かれているかを見るときは、フロアコーティングの見積もり比較が参考になります。
入居前のうちに確認しておくこと
①フローリング
- ワックスがすでにかかっているか(かかっている場合は剥離作業が必要になることがあります)
- 施工から入居まで、乾燥期間を含めて2日ほど空けられるか
- ペットや小さなお子様がいる場合、滑りにくさを重視するか、見た目の透明感を重視するか
- 保証の有無と適用条件。当店のGFガラスコーティング厚膜(滑り止めと防汚の働きがあるタイプ)には10年保証があります。どの業者の保証にも適用条件と対象外の規定があるので、年数の数字だけでなく、条件まで確認しておくと安心です
「保証年数」と「持続年数」は別のものです。どのくらい持つかは、環境やお手入れの頻度で変わります。
②水回り
入居前に状態を見ておく意味が大きいのは、水回りです。傷と違って、水垢やカビは「付き始め」が目に見えにくいので、気づいたときには広がっていることがあります。
- 浴槽・洗面台の素材(FRP・人工大理石・タイルなど)と、それに合うコーティングの種類
- コーキング部分の劣化や隙間の有無(コーティング前に補修が必要になる場合があります)
- 換気の状態(換気が弱い部屋は防カビ対策の優先度が上がります)
水回りのコーティングをすると、汚れは膜の上に乗るので、こびりつく前に落としやすくなります。拭き掃除は、施工後も続けてください。強くこすらなくても落としやすいぶん、膜も傷みにくくなります。
③防カビ
- 過去にカビが発生したことがある部屋かどうか
- 建物の気密性と換気(気密が高く換気が足りないと、湿気がこもりやすくなり、カビも出やすくなります)
- すでにカビが発生している場合は、除カビ処理を先に行う必要があること
防カビコーティングは、カビが出るのを遅らせ、広がりを抑えます。湿気がこもりやすい場所では、換気と合わせると効果が続きやすくなります。どのくらい続くかは、環境や素材によって変わります。
向いている人・向いていない人
入居前のコーティングは、次のような方に向いています。
- 入居日まで、施工+乾燥の2日ほどを確保できる方
- 日常のお手入れの手間を減らしたい方
- ペットや小さなお子様がいて、床の傷や滑りが気になる方
一方、次のような場合は、施工の前に確認しておきたいことがあります。
- 床材や設備に構造的な不具合がある場合(先に補修が必要です)
- 極端に湿気の多い環境で、換気設備の見直しが優先される場合
- 予算を絞りたい場合。傷が入りやすいリビングの床だけ、カビやすい浴室だけ、というように、優先度の高い1箇所から先に施工する方法もあります
よくある質問
入居前と入居後、費用はどちらが安いですか?
入居前のほうが、費用をおさえやすくなります。入居前はコーティング費だけで済みますが、入居後は洗浄費も別途必要です。傷が付いている場合は、補修(別工事)の費用もかかります。
ワックスとコーティングは何が違いますか?
ワックスは表面に乗せる仕上げ剤で、定期的に塗り直して使います。コーティングは、下地を整えたうえで密着させる保護膜です。ワックスのように、定期的に塗り直す施工ではありません。
コーティングすれば掃除はいらなくなりますか?
いいえ、掃除は施工後も必要です。汚れが被膜の上に乗るので、軽い力で落としやすくなります。乾拭きや水拭きなどの日常のお手入れを続けると、きれいな状態を保ちやすくなります。
すでにカビが生えている場所にもコーティングできますか?
そのままではできません。先に除カビ処理を行い、カビを除去したうえで防カビコーティングを施工する流れになります。
施工してから入居まで何日空ければいいですか?
施工に1日、乾燥に丸1日が目安です。大事をとって、入居日を施工の2日ほどあとにしておくと、乾燥も入居前に済ませられます。
まとめ
入居前と入居後の違いは、工程が増えるかどうかです。入居前ならコーティングのみで済みます。入居後は洗浄が加わり、傷があれば補修という別工事も必要になります。
施工後仕上がりを見て「入居前にやっておけばよかった」とおっしゃってくださった方もいます。
入居日が決まっているなら、施工と乾燥の2日分を逆算して、スケジュールに入れておいてください。入居前なら、費用も手間も小さくおさえやすくなります。