施工後の洗面台。白い人工大理石の天板とボウル、その上のバックパネルと水栓まわりが1枚に写っています

先に結論を書きます。洗面台のコーティングが必要かどうかは、新築か中古かでは決まりません。決まるのは、ボウル・天板・鏡という、素材も汚れの残り方も違う3つの面を、それぞれどう見るかのほうです。洗面台は新築の入居前だけの話ではなく、すでに使っている洗面台も対象になります。この記事は、その3つの面で何が起きているかを先に説明したうえで、やらなくていい条件とやったほうがいい条件、そしてどこまでを範囲にするかまで書きます。

洗面台で何が起きるか

洗面台は、面積のわりに素材の種類が多い場所です。ボウルと天板は陶器か人工大理石が中心で、鏡はガラスです。同じ洗面台の中でも、素材が違えば水や汚れの残り方も違います。ここではボウル・天板・鏡の3つに分けて見ていきます。

ボウル

ボウルは、洗顔や歯磨きのたびに水が集まる場所です。使い終わったあとも底のほうに水が残りやすく、乾くたびに水道水に含まれる成分がそこに残ります。歯磨き粉のカスも同じ位置に落ちるため、水垢と混ざって固まっていきます。毎日水が通る面なので、3つの中でも汚れが乗る回数がいちばん多くなります。

天板

天板は、水そのものよりも、飛び散ったものが乗る面です。歯磨き粉の飛沫、整髪料、化粧品、ハンドソープの泡などが日常的にかかります。水滴が広がって乾くぶん、ボウルより跡が薄く、面全体に広がって残ることが多くなります。

鏡は、3つの中でも汚れの残り方がいちばん特殊です。水道水に含まれる成分が同じ位置で乾く回数を重ねるうちに、ウロコと呼ばれる白い曇りになります。表面に乗っているのではなく、面の細かい凹凸に入り込んで固まった状態なので、拭く力だけでは動かないことがあります。この仕組みは浴室の鏡と同じで、詳しくは浴室の鏡のウロコが取れない理由に書いています。

やらなくていい条件

次のような洗面台では、急ぐ理由はありません。

  • 使ったあとにボウルと天板を拭く習慣が、すでにある
  • 家族の人数が少なく、1日に使う回数がもともと少ない
  • 鏡に白い曇りがほとんど出ていない
  • 数年以内に引っ越しや建て替えの予定があり、この設備を長く使う予定がない

コーティングをすると、汚れはつきにくくなり、ついてもコーティングの被膜の上に乗るので落としやすくなります。日々の拭き上げで維持することが基本になる点は変わらないため、3つの面のうち、すでに掃除の習慣で汚れを溜めていない面があるなら、その面だけは急いで決める必要はありません。

やったほうがいい条件

逆に、次のような洗面台では優先度が上がります。

  • 家族の人数が多く、洗面台を使う回数と時間が長い
  • 天板やボウルに水垢や歯磨き粉の跡がすでに目立っている
  • 鏡が白く曇り始めていて、拭いても戻らない
  • 来客も使う洗面台で、いつ見られても困らない状態にしておきたい
別のお宅の洗面ボウル。グレーの人工大理石と、壁付けの水栓まわりです

3つの面は傷み方が違うぶん、優先度が面ごとに分かれることもあります。鏡だけ曇りが早く出て、ボウルと天板はまだ気にならない、という洗面台も珍しくありません。全部を同じタイミングで決める必要はなく、気になる面から先に進めることもできます。

どこまでやるか。範囲はボウル・天板・鏡の3つの単位に分かれます

洗面台の施工範囲は、次の3つの単位に分かれています。

  • 洗面ボウル……水がたまる部分
  • 洗面台天板……ボウルのまわりの平らな面
  • 洗面台 鏡……鏡そのもの

1か所だけの依頼も、3つをまとめた洗面フルセットとしての依頼もできます。

剤は、保護性能重視・バランス・手軽な防汚の3つのグレードから選びます。ボウルと天板は、保護性能を優先する場合はセラミックコーティングが中心です。ところが鏡だけは、保護性能重視のグレードでもセラミックコーティングを使いません。鏡に使うのは超親水コーティングで、水垢の付着を抑えることに特化した剤です。鏡だけ剤の考え方が変わるのは、鏡に要るのが硬さではなく、乾いた成分が面に居座りにくいことだからです。剤の種類そのものの違いはフロアコーティングの種類と特徴に整理しています。部位ごとの内容は単品ごとの価格表で先に見られます。

持ちの年数は、使う頻度、換気、拭き取りの習慣で変わります。同じ洗面台の中でも、ボウルと鏡では条件が違います。洗面台を含めた水まわり全体で、どの場所から順に決めるかは新築の水まわりコーティングは必要かに場所別で書いています。

施工したあとの手入れ

施工したあとも、掃除は必要です。拭き取りをしなければ、コーティングの上にも水垢は付きます。変わるのは、掃除が要るか要らないかではなく、掃除の仕方のほうです。

汚れはコーティングの上に乗るので、下地に直接付くよりも落としやすくなります。使う洗剤は中性洗剤を選び、拭き取りにはマイクロファイバークロスなど柔らかい布を使います。デッキブラシのような硬いものでこすると、コーティングを傷つけやすいため推奨しません。

ここは因果でつながっています。強くこすらなくても汚れが落ちる、こする力が弱くて済む、コーティング自体が傷みにくい、という順です。とくに鏡は、力を入れてこすっても白い曇りがすぐには動かないことがあります。動かないからといって力任せにこすらず、まず柔らかい布で様子を見てください。

よくある質問

すでに使っている洗面台でもコーティングできますか?

できます。新築の入居前に限った施工ではありません。すでに使っている洗面台も対象です。

ボウル・天板・鏡は別々に頼めますか?

できます。洗面台は洗面ボウル、洗面台天板、洗面台 鏡の3つの単位に分かれているので、1か所だけを選ぶことも、まとめて洗面フルセットで頼むこともできます。

鏡だけ違う剤を使うのはなぜですか?

鏡に要るのは硬さより、乾いた成分が面に居座りにくいことだからです。ボウルと天板は保護性能を優先する場合セラミックコーティングが中心ですが、鏡は超親水コーティングを使います。

コーティングをすれば掃除はいらなくなりますか?

いりません、とは言えません。拭き取りをしなければ、コーティングの上にも水垢は付きます。変わるのは掃除の仕方で、強くこすらずに落とせるようになるぶん、コーティング自体も傷みにくくなります。拭く回数がゼロになる施工ではありません。

キッチンと同じタイミングで頼んだほうがいいですか?

まとめる必要はありません。判断に使う材料が違うためです。キッチンはシンクや天板が新品か、すでに使っているかで最初の工程が変わりますが、洗面台はボウル・天板・鏡で傷み方が違う点が判断の軸になります。その違いはキッチンのコーティングは必要かに書いています。

まとめ

洗面台のコーティングが必要かどうかは、新築か中古かでは決まりません。ボウル・天板・鏡という素材も汚れ方も違う3つの面があり、水がたまるボウル、飛び散ったものが乗る天板、ウロコとして積み重なる鏡で、傷み方がそれぞれ違います。範囲は洗面ボウル、洗面台天板、洗面台 鏡の3つの単位に分かれ、まとめて洗面フルセットとしても依頼できます。剤は3つのグレードから選び、鏡だけは保護性能重視のグレードでもセラミックコーティングではなく超親水コーティングを使います。そして施工したあとも掃除は必要で、変わるのは掃除の仕方のほうです。