施工前のキッチンシンク。ステンレスのシンクとクロームの水栓、シンク上にはワイヤーかごが置かれた新品の状態です

先に結論を書きます。キッチンのコーティングが必要かどうかは、シンクの素材でもキッチンの築年数でもなく、そのシンクが新品か、すでに使っているかで最初の分かれ道が決まります。新品なら下地処理は要らず、そのまま施工に入れます。使い始めたシンクや天板は、水垢・油脂・小傷のどれかがすでに乗っているので、それを落とす工程が先に入ります。この記事は、その分かれ道を先に説明したうえで、やらなくていい条件とやったほうがいい条件、範囲の決め方まで書きます。

キッチンで何が起きるか

キッチンは、水・油・熱・洗剤が同じ面に重なって当たる、家の中でも珍しい場所です。シンクには水垢と食材のカスが残り、天板には油はねと調味料のシミが付きます。コンロまわりとレンジフードは、油汚れに熱が加わって固まる点が他の面と違います。どちらの汚れも、付いてすぐより、時間が経ってからのほうが落とす手間が重くなるという性質は共通しています。

施工の対象になる面は、シンク、天板、コンロまわり、レンジフードの4か所です。素材で言うと、ステンレス、人工大理石、ホーローのいずれかが中心になります。当店では、この3素材を理由に施工をお断りすることはありません。素材によって変わるのは可否ではなく、使う剤の選び方のほうです。

4か所の中でも、汚れの当たり方は場所ごとに違います。シンクと天板は毎日の作業で直接手が触れる面で、汚れが付く回数がいちばん多くなります。コンロまわりとレンジフードは、使うたびに拭く面ではないため、油はねが積み重なってから気づくことが多い場所です。同じキッチンの中でも、優先して見る場所と後回しにしてよい場所が分かれます。

やらなくていい条件

次のような家庭では、コーティングを急ぐ理由はありません。

  • 自炊の頻度が低く、シンクや天板を使う回数がもともと少ない
  • 使うたびに水気と油はねを拭き取る習慣がすでにある
  • 数年以内に引っ越しや建て替えの予定があり、この面を長く使う予定がない

コーティングをすると、汚れはつきにくくなり、ついてもコーティングの被膜の上に乗るので落としやすくなります。日々の拭き上げで維持することが基本になる点は変わらないため、掃除の習慣ですでに汚れを溜めていない家庭では、施工で変わる体感が小さくなります。

やったほうがいい条件

逆に、次のような家庭では優先度が上がります。

  • 共働きや家族の人数が多く、キッチンを使う頻度と時間が長い
  • 揚げ物や炒め物で油はねが多く、コンロまわりの拭き取りが追いつかない
  • 水垢や油じみがすでに目立ち始めていて、家庭にある洗剤では落ちにくくなっている

使う頻度が高いほど、汚れが乗る回数も増えます。シンクと天板は毎日触れる面なので、4か所の中でも施工の効きを実感しやすい場所です。

どこまでやるか。範囲は新品か中古かで変わります

範囲を決める前に、まず下地処理が要るかどうかを確認します。ここが新品と中古で分かれます。

状態下地処理内容
新品不要汚れが一度も付いていないため、洗浄だけですぐ施工に入れます
中古(使用中)必須水垢が気になる面は水垢取り、油脂の付着が気になる面は油脂除去、シンクの小傷が気になる場合は研磨を先に行います

中古の場合、下地処理は気になる箇所だけに行います。全面に必ず研磨をかけるわけではなく、水垢・油脂・小傷のうち実際に残っているものに応じて工程を組みます。同じキッチンでも、面によって下地処理の中身が変わるということです。

ここで効くのは、キッチンを何年使ったかという年数よりも、日々どれだけ汚れを放置してきたかのほうです。同じ築年数でも、こまめに拭き取ってきたシンクと、汚れを溜めたまま使ってきたシンクでは、必要な下地処理の量が変わります。逆に言えば、新品はこの差がまだ何も付いていない状態なので、下地処理の判断そのものが発生しません。

施工後のシンク。同じステンレスのシンクと同じクロームの水栓です

部位はシンク、天板、コンロまわり、レンジフードの4か所から選べます。1か所だけの依頼も、4か所まとめてのフルセットも可能です。剤は、保護性能重視・バランス・手軽な防汚の3つのグレードから選びます。保護性能を優先する場合はセラミックコーティングが中心です。バランス型はガラスコーティング、手軽な防汚は超撥水コーティングです。剤の種類そのものの違いはフロアコーティングの種類と特徴に整理しています。

持ちの年数は、こちらから断定しません。水のかかり方、油の使用量、拭き上げの頻度、使う洗剤で変わるためです。同じキッチンの中でも、シンクとレンジフードでは条件が違います。部位ごとの内容は単品ごとの価格表で先に見られます。浴室・洗面台・トイレまで含めた水まわり全体の優先順は新築の水まわりコーティングは必要かに場所別で書いています。

施工したあとの手入れ

コーティング後も、拭き掃除は必要です。拭き取りをしなければ、コーティングの上にも水垢は付きます。ただし汚れはコーティングの上に乗るので、下地に直接付くよりも落としやすくなります。使う洗剤は中性洗剤を選び、水分の拭き取りはできればマイクロファイバークロスなど柔らかい布を使います。デッキブラシのような硬いものでこすると、コーティングを剥がしやすくなるため推奨しません。

よくある質問

ステンレスでも人工大理石でも施工できますか?

できます。ステンレス、人工大理石、ホーローのいずれも施工の対象で、素材を理由にお断りすることはありません。変わるのは可否ではなく、使う剤の選び方です。

中古のキッチンだと、下地処理はどこまで増えますか?

気になる箇所によって変わります。水垢が気になる面は水垢取り、油脂が気になる面は油脂除去、シンクの小傷が気になる場合は研磨が先に入ります。全部が必ず入るわけではなく、実際に残っている汚れに応じて組みます。

シンクだけ、天板だけの依頼もできますか?

できます。キッチンは部位ごとに単品で分かれているので、1か所だけを選ぶことも、4か所まとめてフルセットで頼むこともできます。

コーティングをすれば掃除はいらなくなりますか?

いりません、とは言えません。拭き掃除をしなければ、コーティングの上にも水垢は付きます。ただし汚れはコーティングの上に乗るので、下地に直接付くよりも取りやすくなります。強くこすらなくても汚れが落ちるぶん、コーティング自体も傷みにくくなります。拭く回数がゼロになる施工ではありません。

新品のキッチンにも、中古と同じ下地処理をしたほうがいいですか?

その必要はありません。下地処理は、水垢・油脂・小傷といった、すでに付いている汚れを落とすための工程です。新品にはその汚れがまだ乗っていないので、下地処理そのものが発生しません。中古で行う工程を新品にも足す、という考え方にはなりません。

まとめ

キッチンのコーティングが必要かどうかは、素材でも築年数でもなく、シンクや天板が新品か、すでに使っているかで最初の工程が変わります。新品なら下地処理は不要で、そのまま施工に入れます。中古の場合は、水垢取り・油脂除去・小傷の研磨のうち、実際に気になる箇所だけを先に行います。範囲はシンク・天板・コンロまわり・レンジフードの4か所から選べ、1か所からでもフルセットでも依頼できます。剤は保護性能重視・バランス・手軽な防汚の3つのグレードから選び、部位ごとの内容は価格表で確認できます。