キッチンの全景。奥にガスコンロの天面、手前は天板とシンクです

先に結論を書きます。コンロ・IHのコーティングが必要かどうかは、天面に出る油汚れと、吹きこぼれが加熱で焦げつくことの2つで判断します。この記事で扱うのは、住宅に据え付けられたガスコンロの天面とIHクッキングヒーターの天板です。「コンロ コーティング」「IH コーティング」で検索すると、フライパンや鍋のIH対応加工がたくさん出てきますが、この記事はそれとは別の、建物側に固定された設備の話に絞ります。天板の素材ごとの熱や油への強さ、キッチン全体の下地処理の考え方は別の記事に譲ります。

コンロで起きているのは油汚れと焦げつきです

コンロまわりの汚れは、大きく2種類に分かれます。油汚れは、調理中に飛び散った油が加熱を繰り返すたびに酸化し、粘り気を帯びて面に固着したものです。焦げつきは、煮汁や調味料が吹きこぼれ、まだ熱を持った面に触れて炭化したものです。どちらも、加熱という調理の工程そのものが汚れを面に固定する側に働く点が共通しています。

汚れ正体出やすい場所
油汚れ調理中に飛び散った油が加熱で酸化し、粘り気を帯びて面に固着したものコンロの天面、五徳のまわり、天板との継ぎ目
焦げつき吹きこぼれた煮汁や調味料が熱を持った面に触れて炭化したものバーナーの周辺、IHの天面中央

ガスコンロは五徳のまわりに焦げつきが集まりやすく、IHは天面が平らな分、吹きこぼれがそのまま広がって焦げつく範囲が変わります。油汚れは天面全体に薄く広がるように付くため、ガスコンロとIHのどちらでも起こります。

どちらの汚れも、時間が経つほど落とす手間が重くなる点は共通しています。油はねはすぐなら拭き取りで済みますが、加熱を繰り返すたびに層が厚くなります。吹きこぼれも、面が冷めてすぐに拭き取れば軽い汚れで済みますが、そのまま次の調理に入ると炭化が進みます。

やらなくていい条件

次のようなコンロでは、急ぐ理由はありません。

  • 調理のたびに油はねを拭き取る習慣がすでにある
  • 吹きこぼれに気づいたら、面が冷めた直後に拭き取っている
  • 五徳やグリルまわりの汚れがまだ目立っていない
  • 数年以内に引っ越しや建て替えの予定があり、このコンロを長く使う予定がない

コーティングをすると、油汚れも焦げつきの原因になる吹きこぼれも面に固着しにくくなり、ついても被膜の上に乗るので落としやすくなります。日々の拭き取りで維持する点は変わらないため、その習慣がすでにあるコンロでは、施工で変わる体感が小さくなります。

やったほうがいい条件

逆に、次のようなコンロでは優先度が上がります。

  • 天面に油汚れがすでに層になって残っている
  • 吹きこぼれを焦げつかせてしまうことがよくある
  • 揚げ物や炒め物の頻度が高く、油はねの量が多い
  • 五徳やグリルまわりの掃除に毎回時間がかかっている

使う頻度が高いほど油はねも吹きこぼれも積み重なる機会が増えます。揚げ物や炒め物のように油を多く使う調理をよくする家庭は、油汚れの優先度が上がります。

どこまでやるか。コンロだけを単品で頼めます

キッチンは、シンク・天板・コンロまわり・レンジフードの4か所に分かれています。コンロまわりはこの4か所のうちのひとつで、単品で依頼することも、まとめてキッチンフルセットとして依頼することもできます。

人工大理石の天板とコンロの継ぎ目。右端にコンロの黒い天面と排気口カバーが写ります

コンロに使う剤は、保護性能を優先するグレードでもガラスコーティングで、シンクや天板のセラミックコーティングとは違います。バランス型もガラスコーティングで、手軽な防汚にあたる超撥水コーティングは、膜をつくるコーティングではなく、汚れの付きにくさだけに振ったお手軽なタイプです。剤の種類そのものの違いはフロアコーティングの種類と特徴に整理しています。

五徳やグリル、まわりの部品まで施工するかどうかは、形状や素材が機種ごとに違うため現地で決まります。天板の素材ごとの熱と油、シミへの強さの違いはキッチン天板のコーティングは必要か、下地処理を含めたキッチン全体の考え方はキッチンのコーティングは必要かに書いています。シンクの水垢やもらいサビはキッチンシンクのコーティングは必要か、部位ごとの内容は単品ごとの価格表で先に見られます。水まわり全体の優先順は新築の水まわりコーティングは必要かにまとめています。

施工したあとの手入れ

施工したあとも手入れは必要で、変わるのは掃除が要るか要らないかではなく掃除の仕方のほうです。

油汚れはコーティングの上に乗るので、下地に直接付くよりも落としやすくなります。使う洗剤は中性洗剤を選び、拭き取りにはマイクロファイバークロスなど柔らかい布を使います。デッキブラシのような硬いものでこすったり、こびりついた汚れを金属ヘラで削り落としたりすると、コーティングを傷つけやすいため推奨しません。吹きこぼれも面に食い込みにくくなるぶん、気づいた時点で拭き取れば軽い汚れで済む段階が長くなりますが、加熱を続けたまま長時間放置すれば焦げつくこと自体は起こり得ます。強くこすらずに落ちる場面が増えるぶん、コンロもコーティングも傷みにくくなります。

よくある質問

コンロだけを単品で頼めますか?

できます。コンロまわりはシンク・天板・レンジフードと別に、単品で選べる項目のひとつです。まとめてキッチンフルセットとして依頼することもできます。

フライパンや鍋のIH対応加工とは違いますか?

違います。この記事で扱っているのは、住宅に据え付けられたガスコンロの天面とIHクッキングヒーターの天板へのコーティングで、調理器具そのものの加工とは別のメニューです。

油汚れはコーティングでどう変わりますか?

面に固着しにくくなるぶんつきにくくなり、ついても被膜の上に乗るのでこすらず拭き取りやすくなります。すでに固着した油汚れを溶かす施工ではないため、その場合は先に落とす工程が入ります。

吹きこぼれの焦げつきは防げますか?

面に食い込みにくくなるぶん焦げつきにくくなり、気づいてすぐ拭き取れば軽い汚れで済む段階が長くなります。ただし加熱を続けたまま長時間放置すれば焦げつくこと自体は起こり得るため、吹きこぼれに気づいたら早めに拭き取る習慣は施工後も必要です。

五徳やグリルも一緒に施工できますか?

機種ごとに形状や素材が違うため、どこまで施工するかは現地で確認したうえで決めます。天面だけに絞ることも、五徳やグリルまで含めて依頼することもできます。

どのくらい持ちますか?

コンロの持ちは、揚げ物や炒め物の頻度、吹きこぼれに気づいてから拭き取るまでの時間といった環境で変わります。同じコンロでも、天面中央と五徳のまわりでは条件が違います。

まとめ

コンロ・IHのコーティングが必要かどうかは、天面に出る油汚れと、吹きこぼれが加熱で焦げつくことの2つを軸に見ると判断しやすくなります。この記事で扱うのは住宅に据え付けられたガスコンロの天面とIHクッキングヒーターの天板で、フライパンや鍋のIH対応加工とは別の話です。コーティングをすると2つとも面に固着しにくくなり、ついても被膜の上に乗るので落としやすくなりますが、油はねの拭き取りや吹きこぼれへの早めの対応といった日々の習慣は施工後も変わりません。コンロに使う剤は、保護性能を優先するグレードでもガラスコーティングで、シンクや天板のセラミックコーティングとは違います。コンロまわりはシンク・天板・レンジフードと分けて単品で依頼することも、フルセットで依頼することもでき、五徳やグリルまで施工するかは現地で決まります。