明るい木目の洋室の床。奥の壁際に巾木が通っています

先に結論を書きます。床のハウスダストは、部屋の隅や壁際、家具の下のように、空気の流れが弱いところに集まります。フロアコーティングをすると、床に落ちたほこりや汚れは床材ではなく被膜の上に乗るので、拭き掃除がしやすくなります。力を入れてこすらなくても取れるぶん、毎日の床掃除を続けやすくなるのが、コーティングで変わるところです。一方で、暮らしていればほこりは毎日床に落ちるので、掃除そのものは続けます。この記事では、床のハウスダストの中身とたまる場所、フロアコーティングで変わること、舞い上げない掃除の順番、施工したあとの手入れの順に書きます。

床のハウスダストは、何でできていてどこにたまるか

ハウスダストは、家の中のほこりのうち、目に見えにくい細かいものを指す言葉です。中身はひとつではなく、次のようなものが混ざっています。

  • 衣類や寝具、カーテンから出る繊維くず
  • 人の髪の毛やフケ、皮膚のかけら
  • ダニの死がいやふん
  • カビの胞子
  • 外から入ってくる花粉や砂ぼこり
  • ペットがいる家では、毛やフケ

こうした細かいものは、人が動くと空気中に舞い、動きが止まると少しずつ床へ落ちてきます。床に落ちたものは、歩いたときの空気の流れで端へ寄せられていきます。そのため、ほこりがたまりやすいのは次のような場所です。

  • 部屋の四隅と、壁際の巾木(はばき。壁と床の境目に付いている細長い板)に沿ったところ
  • ベッドやソファ、棚など、家具の下とすき間
  • ドアの裏、敷居や段差の際
  • カーテンの裾のまわり
和室の敷居の際と、手前の段差まで続く床。右手に壁の角と巾木

部屋の真ん中は掃除機をかけやすい一方で、端や物の陰は手が届きにくく、ほこりが残りやすいところです。床のハウスダストの掃除は、この端の部分をどう拭くかが中心になります。

フローリングとカーペット、ほこりの見え方の違い

床材によって、ほこりのたまり方と掃除の仕方が変わります。どちらが良い悪いではなく、性質の違いとして見てください。

床材ほこりのたまり方掃除の仕方
フローリング表面に乗るので目に見えやすく、歩いたときに舞いやすい表面を拭けば取れる。舞い上げない順番で掃除する
カーペット・ラグ毛足の間に入り込むので、空気中には舞いにくい奥に入ったほこりを掃除機で時間をかけて吸い取る

フローリングは、ほこりが表面に出ているぶん、拭けばその場で取れるのが利点です。カーペットは、ほこりを毛足の間に抱え込むので、舞い上がりは抑えられますが、奥にたまったものを取るには掃除機をゆっくりかける手間がかかります。どちらを選んでも、ほこりは毎日出ます。違うのは、それをどう取り除くかです。

フローリングの家で、拭いて取る掃除をしやすくするのが、次に書くフロアコーティングです。

フロアコーティングで変わるのは、拭き掃除のしやすさです

フロアコーティングは、床の表面に保護の膜をつくる施工です。床に使うのはガラスコーティングで、硬化すると床材の上に硬い被膜が1枚できます。仕組みの詳細はフロアコーティングとはにまとめています。

ほこりや汚れが、被膜の上に乗ります

コーティングをした床では、落ちてきたほこりも、ほこりと一緒にこびりつきやすい皮脂や食べこぼしの汚れも、床材ではなく被膜の上に乗ります。床材に直接しみ込まないので、乾いた布やフロアワイパーでさっと拭くだけで取りやすくなります。固く絞った布で水拭きするときも、力を入れずに汚れが落ちやすくなります。

床のほこりは、それだけなら乾拭きで取れます。手間がかかるのは、皮脂や飲みこぼしと混ざって床に貼りついたほこりで、壁際や家具のまわりに黒っぽい筋として残ります。被膜の上に乗った汚れは、こうしたこびりつきも拭き取りやすくなります。

ほこりは毎日落ちるので、掃除は続けます

コーティングをしても、家の中で出るほこりの量は変わりません。人が暮らしていれば、繊維くずも花粉も毎日床に落ちます。拭かずに置けば、コーティングをした床でも隅にほこりがたまります。

変わるのは、そのほこりを取るときの手間です。強くこすらなくても取れるので、毎日の拭き掃除が短い時間で済み、続けやすくなります。こまめに拭ける床にしておくことが、床のハウスダスト対策でコーティングが役に立つところです。

舞い上げない床掃除の順番

床のハウスダストの掃除は、コーティングをしていてもしていなくても、順番が大切です。床のほこりは軽いので、いきなり掃除機をかけると、排気やヘッドの動きで空気中に舞い戻ってしまいます。

掃除をするタイミング

おすすめは、朝起きてすぐ、家族が動き回る前です。夜の間に空気中のほこりが床へ落ちているので、舞い上がる前にまとめて取れます。外出から帰った直後も、人が動いていなかった間に床へ落ちたほこりを取りやすい時間です。

乾拭き、掃除機、水拭きの順に進めます

  1. フロアワイパーや乾いた布で、静かに乾拭きする。部屋の奥から出入口に向かって進め、壁際と隅を先に拭きます
  2. 乾拭きで取りきれなかったものを、掃除機でゆっくり吸い取る。家具の下やすき間はノズルを替えて吸います
  3. 仕上げに、固く絞った布で水拭きする。乾拭きで残った皮脂や汚れを取ります

毎日すべてをやる必要はありません。ふだんは乾拭きだけにして、週に何度か掃除機と水拭きを足す、というように分けてもかまいません。掃除の間とそのあとは、窓を開けるか換気扇を回して、空気を入れ替えてください。

端と物の陰を忘れずに

ほこりがたまるのは、部屋の真ん中より端です。巾木に沿って一度ワイパーを走らせる、家具の下に届く薄型のワイパーを使う、ドアの裏を拭く。この3つを掃除の流れに入れておくと、ほこりの残りが減ります。床に物を置く量を減らすと、拭ける面が広がって掃除が楽になります。

コーティングした床の手入れ

コーティングをしても、掃除は必要です。ほこりも汚れもこれまでどおり床に落ちます。そのうえで、汚れはコーティングの上に着くので取りやすく、力を入れてゴシゴシこする必要がありません。強くこすらずに済むぶん、コーティング自体も劣化しにくくなります。

  • 洗剤を使うときは、中性洗剤を薄めて使う
  • 拭き取りには、マイクロファイバークロスのような柔らかい布を使う
  • 研磨剤の入った洗剤や、デッキブラシのような硬いものでこすらない。コーティングを剥がしやすくなるため推奨しません
  • 水拭きのあとは、水分を残さないように乾いた布で拭き上げる

ふだんのほこり取りは乾拭きで十分です。こびりついた汚れが出てきたときに、中性洗剤と柔らかい布で拭く、という使い分けで続けてください。

どこから施工するか。長く過ごす部屋から決めます

明るい木目の洋室の床。左手に白い収納の扉、奥の壁際に巾木

全室でなくてかまいません。ほこりは人が長くいて、よく動く部屋に多く落ちます。

優先度場所理由
高いリビング・ダイニング家族が集まって長く過ごし、食べこぼしとほこりが混ざりやすい場所です
高い寝室・子供部屋寝具や衣類から出る繊維くずが落ち、床で過ごす時間も長くなります
中くらい廊下人の行き来で、ほこりが壁際へ寄せられます
低いあまり使わない部屋人の出入りが少ない部屋は、ほこりの落ちる量も少なめです

小さな子供やペットがいて、床で過ごす時間が長い家では、その家族がいる部屋から考えると決めやすくなります。子供がいる家の考え方は子供・赤ちゃんがいる家のフロアコーティング、ペットがいる家はペットがいる家のフロアコーティングにあります。

段取りがいちばん楽なのは、家具を入れる前の入居前です。家具が入ってからでは、動かしながらの作業になるためです。住みながらでも、部屋を区切って施工できます。床と水まわりをまとめて考えたい場合はハウスコーティングとはを、部位ごとの金額は単品ごとの価格表を先に見ておくと、範囲を決めやすくなります。

よくある質問

フロアコーティングをすると、ハウスダストは減りますか?

床に落ちたほこりや汚れが被膜の上に乗るので、拭き取りやすくなります。毎日の拭き掃除が楽になるぶん、床をきれいな状態に保ちやすくなります。家の中で出るほこりの量そのものが減るわけではないので、こまめに拭くことは続けてください。

コーティングした床は、水拭きしても大丈夫ですか?

水拭きしてかまいません。固く絞った柔らかい布で拭き、水分が残ったら乾いた布で拭き上げてください。汚れが落ちにくいときは中性洗剤を薄めて使います。研磨剤入りの洗剤や硬いブラシは、コーティングを剥がしやすくなるので使わないでください。

掃除機をかけると、ほこりが舞うのはなぜですか?

床のほこりは軽いので、掃除機の排気やヘッドの動きで空気中に舞い戻ります。先にフロアワイパーで静かに乾拭きしてから掃除機をかけると、舞い上がる量を抑えられます。朝起きてすぐ、人が動き回る前に掃除するのも効果的です。

部屋の隅のほこりは、どう取ればいいですか?

巾木に沿ってフロアワイパーを一度走らせるのが手軽です。角に残ったものは、乾いた布を指に巻いて拭き取ります。コーティングをした床なら、隅にたまったほこりも被膜の上に乗っているので、軽く拭くだけで取りやすくなります。

ハウスダストが気になるなら、カーペットとフローリングのどちらがいいですか?

どちらにも向き不向きがあります。カーペットはほこりを毛足の間に抱え込むので舞い上がりにくく、フローリングはほこりが表面に出るので拭けばその場で取れます。掃除機をじっくりかけるのが苦にならないか、こまめに拭くほうが続くかで選んでください。

まとめ

床のハウスダストは、繊維くずや皮膚のかけら、ダニの死がいやふん、花粉などが混ざったもので、部屋の隅や壁際、家具の下に集まります。フロアコーティングをすると、ほこりや汚れは床材ではなく被膜の上に乗るので、力を入れずに拭き取りやすくなります。ほこりは毎日床に落ちるので掃除は続けますが、強くこすらずに済むぶん掃除が短く終わり、コーティング自体も劣化しにくくなります。掃除は朝いちばんに、乾拭き、掃除機、水拭きの順で、壁際と物の陰から進めてください。施工する範囲は、リビング・ダイニングや寝室など、家族が長く過ごす部屋から決めると無駄がありません。