浴室の床全景。グレーの大判タイル調の床と排水口です

先に結論を書きます。浴室の床にコーティングが必要かどうかは、床で何が起きているかを分けて見ると判断しやすくなります。床はピンク汚れが出やすい部位の1つで、放置すると黒カビが混じった黒ずみへ進みます。この記事は床1面に絞り、ピンク汚れと黒ずみの流れ、目地の扱い、やらなくていい条件とやったほうがいい条件までを書きます。壁の水垢とピンク汚れ、カビそのものの施工は別の記事に譲ります。

浴室の床で起きているのは、ピンク汚れの再発とその先の黒ずみです

「床が汚れる」と言うとき、実際に起きているのは1つの現象ではありません。床でよく見るのは、ぬめりのあるピンク色の汚れと、こすっても落ちにくい黒ずみの2つで、この2つは無関係ではなく、ピンク汚れを放置した先に黒ずみが出てくるという流れでつながっています。

ピンク汚れの正体はロドトルラという酵母の一種で、皮脂や石けんカスを養分に増える微生物です。黒ずみのほうは、水垢・黒カビ・皮脂や石けんカスが混ざり合った複合的な汚れで、単体の洗剤では落ちにくくなります。目地のように水が残りやすい場所ほど、この流れが進みやすくなります。

床にピンク汚れが出やすい理由と、コーティングでどう変わるか

ピンク汚れがよく出る場所として挙げられるのは、床と排水口の組み合わせです。シャンプーやリンスのボトルの底など、水がたまりやすい小物の底も同じくらいの頻度で挙げられており、床だけが特別というわけではありません。ただ、床は浴室の中でも面積が広く、排水口までの動線として水が集まりやすいぶん、出やすい部位の1つになりやすいと言えます。床のタイルには継ぎ目である目地があり、面よりへこんでいるぶん水や皮脂が残りやすく、掃除でも見落としやすい場所です。

同じ浴室の床を、目地とタイルの質感が分かる位置から見たところです

ピンク汚れが出やすい理由は、湿度・温度(20〜30℃前後)・養分(皮脂や石けんカス)の3条件がそろうことです。しかも増殖のスピードが速いため、掃除をしてもすぐにまた同じ場所に出てくることがあります。

セラミックコーティングを床に施工すると、被膜ができるぶんピンク汚れは再発しにくくなり、ついても被膜の上に乗るのでこすらず拭き取りやすくなります。ただし、ピンク汚れの正体は微生物なので、皮脂や石けんカスと湿気がそろえば、コーティングをしていても再び出ることがあります。再発そのものを止める施工ではなく、微生物の栄養源を断つ施工でもないためです。だからこそ、拭き取りと換気で水分と養分を残さないことが本筋になります。

放置すると黒ずみに進みます。コーティングでどう変わるか

床のピンク汚れをそのままにしておくと、黒カビが繁殖しやすい環境になっているというサインとして扱われています。ピンク汚れが出ている場所は湿度・温度・養分の条件がすでにそろっているため、黒カビも同じ条件で増えやすくなるからです。

黒ずみそのものは、水垢・黒カビ・皮脂や石けんカスが混ざり合った複合的な汚れで、単一の原因では説明がつきません。この複合汚れのうち、水垢や皮脂・石けんカスの部分はコーティングで変わります。セラミックコーティングをかけると、これらの汚れは面に食い込みにくくなるぶんつきにくくなり、ついても被膜の上に乗るので下地に直接付くより取りやすくなります。だからこそ、日々のマイクロファイバークロスなどでの拭き上げで維持することが大事になります。

一方、黒カビの部分はコーティングとは別の話です。黒カビは目地のような隙間に残りやすく、面を守るコーティングの手当てが直接は届きません。すでに生えている黒カビは取り除けず、対応は除カビと防カビという別の施工になります。詳しい仕組みは浴室コーティングの効果に書いています。

やらなくていい条件

次のような床では、急ぐ理由はありません。

  • 入浴後、床の水滴を拭き取るか換気扇を回す習慣がすでにある
  • 床にまだピンク汚れや黒ずみが出ていない
  • シャンプーボトルや洗面器を床に直置きせず、水がたまりにくい置き方をしている
  • 数年以内に引っ越しや建て替えの予定があり、この床を長く使う予定がない

コーティングをするとピンク汚れも黒ずみのもとになる汚れもつきにくくなり、ついても被膜の上に乗るので落としやすくなりますが、拭き取りと換気で維持する点は変わらないため、その習慣がある床では施工で変わる体感が小さくなります。

やったほうがいい条件

逆に、次のような床では優先度が上がります。

  • 排水口のまわりや目地に、ピンク色のぬめりが繰り返し出る
  • 床の一部にこすっても落ちにくい黒ずみがすでに出ている
  • 浴室の換気が弱く、使ったあとも湿気が長く残る
  • 小さなお子様や高齢の家族がいて、ぬれた床の滑りにくさも合わせて気にしている

床は浴室の中でも水がたまりやすく、目地のように凹凸のある場所も多い部位です。気になる汚れがすでに出ている床は、優先して検討する価値があります。

どこまでやるか。床だけを単品で頼めます

浴室で選べるのは、浴槽・床・壁の全面・水栓・鏡の5か所です。床は単品でも、浴室フルセットでも依頼できます。

床と浴槽に使う剤はセラミックコーティングです。この剤は滑りにくさも効能として持っており、ぬれた床で足を滑らせやすい浴室では汚れへの対応と合わせて選ばれます。効能として言えるのは滑りにくくなるところまでで、絶対に滑らなくなる、転倒を防げるといった言い切りはできません。

部位ごとの組み合わせは浴室コーティングの効果に、剤の違いはフロアコーティングの種類と特徴に、価格は単品ごとの価格表にまとめています。水まわり全体の優先順は新築の水まわりコーティングは必要かに書いています。

施工したあとの手入れ

施工したあとも拭き取りは必要で、変わるのは掃除が要るか要らないかではなく掃除の仕方のほうです。

水垢や皮脂・石けんカスはコーティングの上に乗るので、下地に直接付くより落としやすくなります。洗剤は中性洗剤を選び、拭き取りにはマイクロファイバークロスなど柔らかい布を使います。デッキブラシのような硬いものでこすると傷つけやすいため推奨しません。強くこすらずに落ちる場面が増えるぶん、床もコーティングも傷みにくくなります。

ピンク汚れは被膜の上に乗るぶん拭き取りは楽になりますが、それだけで再発が止まるわけではないため、換気も欠かせません。持ちはシャワーの当たり方、換気、拭き取りの頻度で変わり、同じ床でも排水口に近い場所とそうでない場所では条件が違います。

よくある質問

浴室の床だけを単品で頼めますか?

できます。床は浴槽・壁・水栓・鏡と別に、単品で選べる項目のひとつです。まとめて浴室フルセットとして依頼することもできます。

床のピンク汚れはコーティングでどう変わりますか?

被膜ができるぶん再発しにくくなり、ついても落としやすくなります。ただしピンク汚れは微生物なので、皮脂や石けんカスと湿気がそろうと出ることがあり、再発そのものを止める施工ではないため拭き取りと換気での維持が必要です。

黒ずみもコーティングでどう変わりますか?

黒ずみは水垢・黒カビ・皮脂や石けんカスが混ざった複合的な汚れです。このうち水垢や皮脂・石けんカスの部分はコーティングでつきにくくなり、ついても被膜の上に乗るので取りやすくなります。黒カビの部分は面を守るコーティングとは別の話で、対応は除カビと防カビという施工になります。

床の目地はどう変わりますか?

床のコーティングは面を守る施工で、目地のような継ぎ目・隙間は面とは扱いが変わります。目地に生えた黒カビ自体を、床のコーティングが取り除くわけではありません。目地の黒カビが気になる場合は、除カビ・防カビの施工を別に検討します。

滑りにくくなりますか?

床に使うセラミックコーティングには、滑りにくさも効能として含まれます。ただし効能として言えるのは滑りにくくなるところまでで、絶対に滑らなくなる、転倒を防げるといった言い切りはできません。

どのくらい持ちますか?

床の持ちは、シャワーの当たり方や換気、拭き取りの頻度といった環境次第で変わります。同じ床でも、排水口に近い場所とそうでない場所では条件が違います。

まとめ

浴室の床にコーティングが必要かどうかは、ピンク汚れと黒ずみという2つの流れで見ると判断しやすくなります。床は排水口や目地とセットでピンク汚れが出やすい部位の1つで、放置すると黒カビが混じった黒ずみへ進みます。セラミックコーティングをかけると水垢や皮脂・石けんカスはつきにくくなり、ついても被膜の上に乗るので落としやすくなりますが、微生物であるピンク汚れの再発そのものを止める施工ではなく、目地の黒カビは除カビ・防カビで別に扱います。床は浴槽・壁・水栓・鏡と分けて単品でもフルセットでも依頼でき、滑りにくさも効能として選べます。施工後も拭き取りと換気は欠かせません。